鹿沼土(かぬまつち)とは?赤玉土との違いについて解説!

植物を育てていくのに大切な土ですが、園芸店やホームセンターを訪れると数多くの土があります。

今回はその中でも基本用土として使用できる鹿沼土(かぬまつち)の特徴や、どんな植物に適しているのか、赤玉土との違いについても紹介していきますので、参考にしてみて下さい。

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鹿沼土とは?

栃木県の鹿沼市で採取できる軽石で多孔質であり(細かい穴が無数にあいているもの)植物を育てる土を培養土と呼び、さまざまな土を混ぜ合わせて出来ていますが、その中の大部分を占める基本用土として用いることのできる土となります。

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鹿沼土の特徴

基本用土として使える

植物は土から水だけでなく酸素も吸収しています。

葉の美しさを楽しむ観葉植物は、根から多くの酸素を吸収する特徴があります。水はけが良いことで、土の隙間に空気が入り込み呼吸することができます。

鹿沼土は通気性・排水性が良く、さらには保水性と保肥性にも優れています。水はけが良いことを好むことが多い観葉植物には適しているといえるでしょう。

酸性が強い用土

鹿沼土のphは4~5.0

ph(ペーハー)とは酸性とアルカリ性を表す指標でpH7.0が中性となります。数字が小さくなるにつれ酸性が強くなり、数字が大きくなるにつれアルカリ性が強くなります。鹿沼土はpH 4~5.0なので酸性の用土となります。

水分量により土色が変化する

普段は黄色が掛かった白色ですが、水分を含むと黄色に変化します。

土が乾燥しているのか湿っているのかが分かりやすいので、水やりのタイミングが分かりやすくなります。根腐れを防止できるでしょう。

挿し木・挿し芽用土に使える

有機質をほとんど含まないので菌や害虫が発生することがなく、まだ弱く繊細な挿し木や挿し芽の用土として使うことができます。

水はけや保水性も良いので適切な水分量を管理できるので、おすすめです。

粒の大きさに種類がある

鹿沼土は粒の大きさに分けられて販売されています。

大粒 1粒 12~20mm

鹿沼土の中で最も水はけと通気性が良いのが特徴です。その大きさから主に鉢底石や軽石として使用されます。

中粒 1粒 6~12mm

鉢の大きさが5号以上などの背の高い植物や盆栽、根が太い植物に使用されます。

小さな鉢では鉢底石として使用することができます。水はけを良くするために小粒と混ぜ合わせて使うことも出来ます。

小粒 1粒 2~6mm

水はけと水持ちどちらともバランスが良く、もっとも使用しやすい大きさの種類となっています。

細い根が張りやすい大きさなので挿し木・挿し芽用としても幅広く使用することができます。

細粒 1粒 1~2mm

粒が細かいので水はけは良くありません。その反面水持ちは良くなります。

主に土壌の酸性度合いを強めるため他の土に混ぜ合わせて使います。

粒が大きくなれば排水性が良くなりますが保水性は悪くなります。反対に粒が小さくなれば保水性は良くなりますが排水性は悪くなります。育てたい植物の大きさと鉢の大きさに合わせて粒の大きさを選んであげると良いでしょう。

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硬質鹿沼土とは

日々の水やりや乾燥などで粒の形は少しずつ崩れて小さくなっていきます。保水性は良くなるが排水性は悪くなっていきます。

粒の硬さが硬い種類のものを【硬質鹿沼土】【日光砂】と呼ばれ販売されています。粒が硬いので植え替えの頻度を少なくすることが出来ますが、一般の鹿沼土より値段は少し高くなっています。

鹿沼土と赤玉土の違い

鹿沼土と赤玉土両方とも通気性・排水性・保肥性・保水性の性質を持っていて基本用土として多く使われています。その違いとしては

  • 水やりのタイミングが分かりやすい
  • 土の粒が潰れにくい
  • 酸性の強さが違う

特徴の方でも紹介させてもらいました。鹿沼土の方が水分量により土色が変化するので、水やりのタイミングが分かりやすいことと、赤玉土より土が潰れにくいことが鹿沼土のメリットであります。

そして鹿沼土は赤玉土より酸性が強い土になります。鹿沼土はpH 4~5.0なので酸性が強く、赤玉土のpH 6.0程度で弱酸性となります。酸性を好む植物には鹿沼土を多く入れ、鹿沼土をメインとする培養土で育ててあげると良いのですが、多くの観葉植物は弱酸性を好みますので、ほぼ全ての植物に使用できる赤玉土の方が汎用性が高く使い勝手が良いでしょう。

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だからといって鹿沼土が観葉植物に使えないわけではありません。むしろ使った方がメリットもあります。そちらを次に紹介していきます。

酸性土壌を好む植物と鹿沼土の使い方

酸性土壌を好む植物としては、ツツジやサツキ、ブルーベリーやラン、日本原産の山野草などの栽培に向いています。ツツジ科の植物は酸性の土を好むことが多いです。

一般的な観葉植物の基本用土は赤玉土とし、土の粒が潰れにくい鹿沼土を少し混ぜ合わせることで通気性を良くするなどの、性質補助として使ってあげると良いでしょう。

鹿沼土を多く入れると土が酸性に傾いてしまうので酸度調整をする必要があります。使用量が2割程度であれば土壌全体が酸性になることはないので一緒に使ってあげることをおすすめします。

こちらの記事では鹿沼土を使用した培養土の配合例を紹介していますので参考にしてみて下さい。

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今回紹介した鹿沼土の特徴や使い方が、あなたの植物を育てていくうえで少しでも参考になれば幸いです。

市販の培養土ではなく自分で混ぜ合わせて作る土に鹿沼土は大切な役割を担う必要な存在となります。自分で土から作り上げていくことも、面白いと思います。一緒にグリーンライフを楽しんでいきましょう。

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