用土の中でも、土壌の改善効果のある改良用土の中の1つにパーライトがありますが、そのパーライトにはどのような効果があるのか、使い方についても紹介していきます。
パーライトとは?
パーライトはガラス質の火山岩を高温で熱処理し作られます。その際、火山岩内に含まれている水分が蒸発するので表面や内部に小さな穴があき多孔質の構造となっています。
パーライトは赤玉土や鹿沼土などの用土の大部分を占める基本用土ではなく、その性質を補助する【補助用土】や【改良用土】に分類されます。
パーライトの種類
パーライトには大きく分けて2種類のパーライトがあり、【黒曜石(こくようせき)パーライト】と【真珠岩(しんじゅがん)パーライト】に分けることができます。
原料の違いにより、熱処理し作られた後の多孔質の構造や空洞のでき方に違いがあり、その違いにより得られる効果も異なります。
パーライトの共通の効果
パーライトの効果としては、パーライト共通の効果と原料の違いによる効果とに分けることができます。
通気性が良くなる
パーライトの内部には複数の空洞があり、その空洞に空気が入り込むので通気性が向上します。
空洞が根に酸素を行き渡らせてくれるので根の生長も良くなります。パーライト自体にも通気性向上の効果はありますが、培養土にパーライトを混ぜ合わせることで土とパーライトの間に隙間ができ、そこでも通気性向上の効果を得ることができます。
用土の軽量化
空洞の多いパーライトは園芸用土の中でも最も軽く、培養土に混ぜ合わせることで土全体の軽量効果を得ることができます。
用土の保温・断熱効果
パーライトの内部にある空洞のおかげで空気を含むことが出来ます。空気を含むことで出来る空気の層が、外からの熱や冷気から守ってくれるので、外気温に左右されにくく土の保温性・断熱性の向上に繋がります。
無菌で清潔
パーライトは高温熱処理し作られているため無菌となっています。そのため病害虫の発生を抑制するので室内栽培や挿し芽・挿し木に適しています。
黒曜石パーライトの効果
排水性の向上
黒曜石パーライトの形は真珠岩パーライトに比べ丸みがあります。
熱処理して作られる前の黒曜石は水分をあまり含んでいないため、高温で熱処理すると内部の水分が気化し内部に小さな空洞ができます。外壁が壊れにくいため、軽く芯があり潰れにくい特徴があります。
そのため空洞に水が入りにくく、必要最低限の水分は保水し排水性は向上する効果があります。
根腐れ防止
黒曜石にはイオン交換性能があり、黒曜石パーライトに付いた水は少しではありますがミネラル水へと変化するので根腐れを防止する効果が期待できます。
真珠岩パーライトの効果
保水性の向上
真珠岩な元々含んでいる水分量が多く、高温熱処理すると水が気化し内部のみではなく外壁も壊し穴を空けるので、内部までしっかりと水分が染み込む形となっています。そのため黒曜石パーライトより保水性に優れています。
パーライトとバーミキュライトの違いは?
ガラス質の鉱物から作られ特徴が似ているので、どちらを使えばいいの?と比較されることの多い2つの土壌改良材。
その違いとしては
- 陽イオン交換容量(CEC)の違い
- 排水性と保水性の違い
では、どのような違いがあるのか紹介していきます。
陽イオン交換容量(CEC)の違い
バーミキュライトには陽イオンを引き付ける力があり、陽イオン(カルシウム・カリウム・マグネシウムなど)肥料成分を吸着し保持する力が大きいのが特徴です。
排水性と保水性の違い
パーライトは総じて排水性に優れています。バーミキュライトは培養土に加えることで水持ちを良くし、パーライトに比べて保水性を良くしてくれ保水性と排水性のバランスが良い改良用土です。
排水性を良くしたい場合は【黒曜石パーライト】
保水性を良くしたい場合は【真珠岩パーライト】
保水性や保肥性をも改善したい場合は【バーミキュライト】を使ってあげると良いでしょう。
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パーライトの使い方
培養土として使う
無菌なパーライトは病害虫発生を抑制してくれます。
排水性や通気性も良くしてくれるので、室内栽培や日当たりが悪い環境での栽培に適しています。植物に適した用土を使用することが大切です。赤玉土や鹿沼土などの基本用土を補助する改良用土として、パーライトを培養土全体の10~20%程度使ってあげましょう。
- 赤玉土 60% 腐葉土 30% パーライト 10%
培養土として混ぜ合わせてあげるのが一般的な配合です。
他にも植物や栽培場所に合わせた配合例がありますので、ぜひそちらの記事も参考にしてみて下さい。
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鉢底石として使う
黒曜石パーライトは排水性が良く、根腐れ防止効果もありますので鉢底石として使うことができます。
粒の大きい黒曜石パーライトも販売されています。
鉢底にパーライトを敷き、その上に珪酸塩白などを5~10粒程度並べ、その上に用土を敷いてあげましょう。
ハンギングとして使う
壁などに鉢をぶら下げるハンギングでは鉢の落下を防ぐためにも、鉢の重量を軽くする必要があります。
軽量なパーライトはハンギングに最適です。土の全体の30~40%程度パーライトを使って鉢の軽量化を図ってあげましょう。
水耕栽培として使う
根腐れ防止効果のある黒曜石パーライトは水耕栽培にも使うことができます。
例としては、お茶パックにパーライトを入れ水に浸します。そこへ作物の種を入れて、液肥で育てていくことができます。
真珠岩パーライトのみで水の代わりに代用することもできます。保水性があるので水やりの頻度を減らすことができ、発根させることができます。
パーライトの注意点
パーライトを使う時の注意点
パーライトは土壌改善に様々な効果を与えてくれますが、水に浮くほど軽いパーライトを多く使うと根物は上手く根を張ることができず倒れてしまったり、水やりとともに徐々に土の表面に粒が浮き上がって流れてしまったりしてしまいます。
適量を混ぜ合わせることと定期的に植え替えや土を混ぜる様にしてあげましょう。
パーライトを購入する時の注意点
パーライトは大きく分けて種類を2つに分けることができ、種類によって得られる用土の効果も変わってきます。
黒曜石パーライトは別名【ビーナスライト】として販売されることもあります。購入時はよく確認し購入しましょう。
様々な効果があるパーライトの使い方や効果や注意点などについて紹介させてもらいました。
美しく植物を育てていく参考になれば幸いです。
グリーンライフ楽しんでいきましょう。