ピートモスとは?特徴と使い方を解説!

園芸資材の中で幅広く使用されているピートモス。

今回はそのピートモスの特徴や使い方。使ううえでの注意点などについて紹介していきます。

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ピートモスとは?

ピートモスは水苔やスゲ・ヨシ・ヤナギなどの植物が堆積して腐植し、泥炭化したものを乾燥させて細かく砕いたものがピートモスとなります。

ピートモスは有機質用土の1つでピートモス単体で使うこともありますが、他の土に混ぜ合わせて土の効果を改良する【改良用土】としても使われます。

北海道・ロシア・北欧・カナダが主な産地となり、産地によって含まれている植物が違うので酸性度や繊維の長さに違いがあります。海外産のピートモスは国産のピートモスに比べて酸性度が強いと言われており、その中でもカナダ産のピートモスは高品質で有名です。

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ピートモスの特徴と効果

保水性・保肥性・通気性を良くする

ピートモスは細胞壁に水分を含む性質があるので保水性・保肥性に非常に優れた特徴があります。

細かく砕かれたピートモスには通気性はありませんが、荒く砕かれたピートモスは繊維と繊維の間に隙間ができるので通気性も少し向上します。

酸性土壌

酸度調整されていないピートモスはph4.0前後の強い酸性の土となります。

ph(ペーハー)とは酸性とアルカリ性を表す指標でpH7.0が中性となります。数字が小さくなるにつれ酸性が強くなり、数字が大きくなるにつれアルカリ性が強くなります。

他の土にピートモスを混ぜ合わせることで土壌全体を酸性に傾けることができ、酸性土壌を好むブルーベリーやサツキ・ツツジなどの植物に多く使われています。

土を柔らかくする

ピートモスは触れると柔らかく、さらに水をたくさん吸収するので土全体を柔らかくする特徴があります。

柔らかい土は植物にとって根が張りやすく、生長しやすく良い土壌となります。苗床にもなり種まき用土としても使用されます。

ピートモスの種類

ピートモスはph4.0前後の酸性の強い土と紹介しましたが、それは無調整のピートモスとなります。

ピートモスは大きく分けて【無調整ピートモス】と【酸性度調整済みピートモス】の2種類に分けることができます。

  • 無調整ピートモス ph3.8~4.8
  • 酸度調整済みピートモス ph6.0

無調整ピートモスの酸性度はph3.8~4.8程度の強酸性ですが、酸度調整済みピートモスの酸性度はph6.0程度に調整されています。

石灰を混ぜて酸性度を調整させていますので、アルカリ性の土壌を酸性に変化させたい場合は無調整ピートモスを使用し、土壌の酸性度は変化させずに保水性・保肥性を向上させたい場合は酸度調整済みピートモスをするなど、目的に合わせて使い分けてあげましょう。

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ピートモスの使い方

観葉植物の土壌として使う

ピートモスは保水性にとても優れているので、乾燥が苦手な植物にピートモスを使ってあげると良いでしょう。

  • 赤玉土 50% ピートモス 30% 鹿沼土 20%

の割合がおすすめです。

使用する植物にもよりますが、土全体の1~5割程度ピートモスを混ぜ合わせて使うのが一般的で、土壌改良用土として使う時は全体の1~3割を混ぜ合わせて使ってあげるのが良いでしょう。

使用する時は【酸性度調整済みピートモス】を使ってあげましょう。観葉植物は主に中性土壌を好みます。

ハンギングバスケット用土として使う

ハンギングバスケットはベランダガーデンや室内で、植物を壁掛けや吊したりし華やかに飾り付けることができ、場所を取らないで空間を楽しむことができるのでとても人気があります。けれど落下の危険性があるので、土の重量を抑えつつ土の保水性を保ちたいときにピートモスが使用されます。

ハンギング専用の土を使用する場合もあると思いますが、自分で配合する場合は

  • 赤玉土 50% ピートモス 20% パーライト 20% 鹿沼土 10%

おすすめの配合です。鹿沼土を抜いた配合も良いでしょう。

土の重量を軽くし、排水性と保水性に優れた配合となっています。他にもおすすめの配合例を紹介してますので、そちらも参考にしてみて下さい。

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土の酸性度を高める為に使う

いま使っている土にピートモスを加えることで土全体を酸性よりに変化させることができ、植物に合った環境をつくり出してあげることができます。

目安として土の容量に対して3割程度の量を加えてあげると、酸性度が0.2~1.0程度酸性に傾くとされています。酸性度がまだ足りない場合はピートモスを加えすぎることによるデメリットも発生してくるので、硫安などの酸性肥料を使ってあげると良いでしょう。

使用後は土の酸性度を測ってあげましょう。

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ピートモスを使うときの注意点

水を吸わせてから使う

保水性が良い特徴のあるピートモスですが、そのまま使っても保水効果を得ることはできません。

購入直後のピートモスは乾燥しており水が染み込みにくい状態となっています。ですので使用する前に水を入れた容器にピートモスを入れて、しばらく放置ししっかりと水を吸わせてから使うようにしましょう。

乾燥に注意する

ピートモスは乾燥しすぎると撥水性を持ち水を吸わなくなってしまう性質があります。

一度撥水性をもってしまうと元に戻すために、水やりを多めに行ったりと対処が必要になります。撥水性があることでピートモスの一番の特徴の保水性は失ってしまいますので、過度の乾燥には十分に気をつけて水の管理をしてあげましょう。

酸性度に注意する

無調整ピートモスを使用することで土全体を酸性土壌に傾けることができますが、傾け過ぎには注意が必要です。

植物に合わない酸性度の場合、根の生長障害や病気といった植物の生長に大きく関わってきます。phは目に見てわかることではないので、土壌酸度計を使って測ってあげましょう。

そして育てる植物はどのphを好むのか調べてから植物に合ったphにしてあげましょう。

ピートモスの産地によっても酸性度に違いがあるため購入する産地を選ぶことも大切です。

乾燥を好む植物への使用に注意する

ピートモスを使用すると水持ちが良くなります。多くの水分を必要とし湿った土を好む植物には良い環境ですが、排水性が良い土を好む植物にとっては保水性がありすぎるため、根腐れの原因となってしまいます。

植物の好む環境を調べてからピートモスを使うようにしましょう。

ピートモスはさまざまな良い性質を持ち園芸資材の中でも多く使われています。

その性質を理解し使用することで、大切な植物を枯らすことなく元気に育てあげることができます。良い土があることで植物は元気に生長していきます。

ピートモスの特徴を理解しグリーンライフ楽しんでいきましょう。

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